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小村雪岱は大好きだが

●泉鏡花『日本橋』(千草閣、大正3年)や、邦枝完二『おせん』(新小説社 、昭9年)、枝完二『お伝情史』(新日本社、昭和11年)などの見事な装丁で知られる小村雪岱は、竹久夢二と並び称される大正・昭和初期の代表的装丁家だ。

小村雪岱は大好きだが_b0072303_1291238.jpg

 
邦枝完二『色娘おせん』(隆文堂、昭和23年、写真右)ときたら、装丁は当然雪岱だと思うでしょう。しかし、雪岱は昭和15年に亡くなっている。構図も写真下の邦枝完二『おせん』(三及社、昭和21年)とよく似ている。

三及社版の『おせん』も雪岱亡き後の昭和21年発行だが、昭和8年9月〜12月に朝日新聞に連載された時の挿絵を流用しているので、雪岱の挿絵に間違いない。誰が作ったのか、新聞に掲載されたイラストを始めからこのように描いたのではないかと思われるくらい見事にコラージュしている。

小村雪岱は大好きだが_b0072303_1372265.jpg


よく見ると隆文堂版の「おせん」はどことなくマンガチックである。装画家の名前を探して見ると、山本武夫とある。そうと知ればよく似ているのも首肯ける。山本は、雪岱の唯一の弟子なのである。それにしても節操がない感じがする。こんなことをすると山本の評価が下がる。

田中貢太郎『朱唇』(世界社、昭和23年)もやはり山本武夫の装丁だが、雪岱の絵によく似ている。
by oh-shinju | 2006-06-29 01:57