人気ブログランキング |
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

東京パックをみつけた

●神保町「古書モール」を覗いて見たら、まだ値付けされていないぼろぼろの雑誌が床に放り出されていた。店主がその場で値段を付けたが「この本はぼろでも価値があるんだよね」と独言なのか、つぶやきなのか「1000円かな」といった。

●表表紙と裏表紙が背のところで切れて、ばらばらだし、全体に汚く、1000円では買う気はしなかったが、2冊のうち1冊だけを購入し、帰宅してから和紙を使って修復した。
東京パックをみつけた_b0072303_1231814.jpg

東京パックをみつけた_b0072303_12313892.jpg

●表紙の絵は岡本唐貴(おかもと とうき)
表紙の下の部分には、誤植で、「岡本康貴」となっているのが購入するきっかけになった。岡本は1903-1986 1903年(明治36)、岡山県倉敷に生まれる。1922(大正11)、東京美術学校彫刻科塑像部に入学、翌年中退。1924年(大正13)、前衛集団アクションに参加、三科造形美術協会の結成に参加。1929年(昭和4)、日本プロレタリア美術家同盟(PP)の結成とともに中央委員となる。

●村山知義らとともに大正末から昭和初期にかけて前衛的な美術運動を標榜した画家で、この「東京パック」東京パック社、昭和5年10月)(写真上)の表紙は村山、柳瀬正夢同様に、思想的にもGEORGE GROSZの影響を強く受けているのがわかる。表紙絵の説明には「飢餓の弾丸 見よ世界経済恐慌に度を失ったプチブルヂョアが産業合理化銃から打ち出す大衆飢餓の弾丸!!」とある。

●GEORGE GROSZの作品(写真下)「“泳げる者は泳げ、弱すぎる者は沈め”(シラー)1922」(村山知義『グロッス その時代・人・芸術』(八月書房、1949年12月初版)が直接に影響を与えた絵かどうかはわからないが、考え方といい、絵の構成といい、かなり近いように思える。
by oh-shinju | 2006-06-17 12:36